2006年02月06日

ミネルバ逃げ水2-6「シンVSレイ」

なんだかんだで長引いたこのシリーズも最後です。
これが完結編となります。
シンとレイはどう上手くおさまるんでしょう。犬はシンに犬鍋にされちゃうんでしょうか。
などと中身があるかのようにふってみる…

・このシリーズは16禁です。
・無断転載複写等は厳禁です。

どぞ。





 
 彼は戦闘から得られたデータを収集し解析する、データ管理専門の技術者としてミネルバに配属されていた。前回の戦闘のデータ解析に不具合が見つかり、その修正に今夜は徹夜を強いられざるを得なかった。
 ベンダースペースの自販機の前に立ち、己の詰めの甘さと同じくらい、同僚の頼りなさに深いため息をつきつつ、ブラックコーヒーのボタンを押した。紙コップを取り出し口から取り、口を付けようとした時だった。物凄い足音と犬の鳴き声と、誰かの絶叫が近づいてくるのを聞いたのだ。
 シン・アスカが犬を抱えてベンダースベースを横切って行ったのである。
「こぉの、クソ犬がぁーー!!」
「きゃん、きゃんきゃん!!」
 あまりに唐突、かつ異様な光景に、乗組員はホットコーヒーの入った紙コップを不可抗力で握り潰してしまった。入れ立ての熱いコーヒーが手にかかて火傷したことに気付くのにすら遅れるような、非現実的なシーンであった。
 気のせいか? 気のせいだよな、あんなのは寝ぼけた脳が見せた幻だ。ひしゃげた紙コップを所定のくず箱に放り入れ、ラバトリーへ行って火傷を冷やし、現実に戻ったつもりで再びコーヒーを乗組員は買い求めた。だが、眠気覚ましにコーヒーを飲んでくつろいでいると、今度は目の前を金髪の貴公子が全力疾走して駆け抜けて行く幻影を見てしまった。目をこする。こすった手を退けた同時に、引き返してきたらしい金髪の貴公子に尋ねられたのだ。
「ここを、シン・アスカが通らなかったか?!」
「……」
「おい、聞いているのか!」
 レイに肩を揺さぶられ、乗組員は我に返って、これが夢でも幻でもないことを知った。
「ああ、はい、少し前に通りました」
「そうか…やはり……手間をかけてすまなかったな」
 レイはザフトきっての貴公子と呼ばれる所以の一つである美しい微笑を残して、さっさと行ってしまった。髪を振り乱したレイ・ザ・バレル。寝起き姿のままのレイ・ザ・バレル。裸足のままのレイ・ザ・バレル…微笑を向けてもらえたことに舞い上がってしまった乗組員は、様々なおかしな状況にまでは頭が回らなかったようだ。



 今宵は海の神の機嫌が悪いのか、いつもより海が荒れていた。
 甲板に出たシンは時折強風に見舞われ、思ったより揺れる足場で踏ん張りながら犬を頭上に持ち上げた。
「おまえなんか、こうだ!」
 柵もない甲板の隅で、シンは叫んだ。暗黒の海原へ犬を投げ捨てようとしたのだ。無論、それは真似だけで終わるはずだった。
 ところが、恐怖に錯乱した犬が、シンの想定を越えた行動をとったのだ。シンの指を噛み、捕縛が緩んだと同時に甲板の奥めがけて逃亡してしまった。
「あっ……!」
 一際大きな波に打たれ、船体が大きく右に傾いた。向こうで犬がころころと坂を転がるようにして滑って行く。このままでは海に落ちてしまう。それはシンが望んだことではない。少し痛い目を見せてやれれば良かった。本心では、犬を失ってレイが悲しむ顔をみたくない。傾いた甲板を、シンは出せる限りのスピードで走った。あと数センチというギリギリのタイミングで、犬の首根を捉まえる。
「キャン、キャン!」
 犬を胸に抱き上げ、甲板の中央まで辿り着いたシンは、ほっと安堵の息をついた。
 良かった海に落っこちなくて。良かった死ななくて。シンは座り込んで、犬を抱き締めた。
 温かさを内包した毛並みが頬をくすぐる。レイの愛した生き物。
 シンとて幼い頃より、犬は嫌いではなかった。
 ただ、無条件にレイに優しくしてもらえるのが羨ましく、嫉ましかったのだ。居場所を奪われたような気がして、気が気でなかったのだ。
「ごめん…ごめん……」
 海面の白波は幾分、落ち着きを取り戻して、船体が大きく揺れるということはなくなったようだ。それは犬の様子も同じだった。
「シン……!」
 甲板の扉が開いて、現れたレイが絶叫した。
「おまえ、なにをしている!!」
 怒りの感情をあらわにした表情で、シンと犬を交互に見た。
「その犬を、どうする気だ!」
 一歩、また一歩と歩みを進めてやってくる。シンは犬を足もとに追いて立ち上がった。
「どうすると思う?」
 何を疑われているか分かっていながら、そう答えた。レイは無言のまま、シンの双眸を見据えている。
「犬をこちらに寄越せ」
「…いいよ。ほら、行けよ」
 シンは足もとの犬を促した。犬は不思議そうな顔でシンを見上げていたが、
「シン!」
 レイに名を呼ばれるや否や、彼のもとへ脱兎の如く走った。足に体をこすりつけ、敬愛の念を示す。
 レイに『シン』と呼ばれた犬が優しく迎えられるのを横目で身ながら、やはり、シンは複雑な思いにかられた。
「…海に投げ捨てようとしたのか」
 寝巻きから着替える手間も、靴を履く手間をも惜しんでレイが追いかけてきた理由は、きっとそう予測したからなのだ。シンがバカな真似をする前に止めようとしたのだ。
 いいことも、悪いこともお見通しというわけだ。
「そうだよ」
「本当に殺してやろうと思ったのか」
「……そうだ」
「嘘だな」
 お見通しだ。それはシンの性格を把握しているというだけのことなのだろうか。それとも、シンのことを信じているからだろうか。
「どうしてそう思うんだよ」
「見ているからだ。いつも、おまえのことを見ているから」
「嘘つけ! 見てなんかないじゃないか!」
 シンは瞬間湯沸かし機のように、感情を沸騰させた。
「昨日も今日も、さっきだってオレのこと見てなかった。ディオキアの時みたく、おまえはオレをちっとも見てくれなかったじゃないか!」
「それは……」
 違う、というレイの言葉は風にかき消された。昨日今日はともかく、ディオキアでギルバートと対面が叶い、浮かれてシンのことなど視界に入らなくなったのは紛れもない事実なのだ。
「…その話をまた蒸し返すのか…ギルと、おまえを見る目は違うんだ。その意味が性質がまるで違うと、少しは理解しろ」
「違わないよ!」
 風は、シンからレイの立つ方向へ吹いており、レイにはシンの心の声までもがより大きく聞こえるようだった。
 風のねが二人の頬を打つ。潮騒が鼓膜を叩く。夜の帳が降りた空は、ただ暁に焼かれるのを黙って待っている。
「おまえは、人を愛せないヤツなんだ。花とか動物とか、そうゆう人外の物言わぬものだけが好きなんだ」
 口調はどんどん勢い付いて感情は昂ぶって行くのに対し、シンの頭は逆に急速に冷えつつあった。口が勝手にレイを傷付けるような暴言を吐き出していく。
 レイは表情をこそ変えなかったが、シンにそう言われて心に擦り傷程度は負ったはずだ。
「花や動物は…人間に愛され、美しいという価値を見いだされるために存在している。それらと大事に思う人間を比べたとき、どちらの存在が重いか…大切にしなければならないか、それがわからない俺ではない」
 レイは抑揚の乏しい声で、淡々と嘘も偽りもない返答を返した。
「その犬より、オレが大切?」
 シンは顎を下げ、睨み上げるようにしてレイを見た。レイまで三、四メートルほどの距離がある。
「そうだ」
「……だったら…もし、おまえの目の前で、オレとその犬が崖から落っこちそうになってたら、おまえはどっちを助けるんだよ」
「………」
 レイは返答に迷ったわけではなく、こんな切羽詰まった場面であってもシンの子供じみた内面がいかんなく発揮されることに拍子抜けしたからだった。
「どっちもとかはナシだぞ!」
「そうだな、真っ先にお前を崖っぷちから引き上げて、余力があれば犬も助ける…そうするだろう、おそらくは」
 おそらくは、の辺りをレイはわざと声のボリュームを絞っていった。
「ほんと? 本当に? 犬じゃなくて議長でもオレを先に助けてくれるのか」
「それは…そのときになってみないとわからない」
 シンにもたらされたささやかな幸福感は、レイのその言葉で蒸発して跡形も残らず消えてしまった。表情がまた険悪に戻る。
「嘘でもいいから、議長より先に助けると言ってくれればいいのに…! どうして言ってくれないんだよ、レイのバカ!!」
「シン……」
 嘘をつけばついたで、またなじることになるだろうに。
「オレは、オレの目はおまえだけを見てるのに。どうしてオレだけを見てくれないの、オレを見てよ、レイ!」
 そのシンの言葉を受けて、レイはしばし身を硬直させていたが、不意に顔を伏せた。
「違う…」
「何が違うんだよ!」
「おまえは自分の姿が見えていない。おまえが見ているのは俺ではなく、失った家族の生きている過去ばかり」
 哀しいとも憂いとも見える表情が、シンの目に映ったと同時にレイの顔が滲んだ。シンは無防備なままの心の琴線を引っかかれ、瞳いっぱいに涙を浮かべていた。
 レイは言った後で家族の名を不用意に出したのは失言だったとひどく後悔した。シンの涙を見て、いっそうその念を濃くした。
「家族だって…? もうなくなってしまったものを、どうやって見つめるっていうんだよ…!」
 無意識だろう、シンの両目から洪水のように涙が溢れ、頬を下った。感情が昂ぶればこうなるのはいつものことで、シン自身は慣れていた。特に気することもなかった。
 だが、その涙を目の前にして、レイの胸がちくり、痛んだことをシンは知らない。
「そうだな……悪かった。だから、泣くな…」
「オレは、オレはレイの一等一番になりたいんだ…!」
 シンは顔を両手で覆い、叫んだ。
「…大事なものに順位などない。付けられるものじゃない」
「それじゃイヤだ…オレを、おまえの一番にしてくれよ。デュランダルより、犬より、オレが大事だっていってくれよ!!」
 自分勝手に振る舞って、我がままばかりを言ってるから、いつレイに愛想を尽かされるか、不安で仕方がなかった。いつも、怖いのだ。
 シンの両肩が大きく揺れていた。レイは犬をその場に残してシンにゆっくりと近寄ると、静かに左右の腕をシンの肩に回した。
「わかったから…シン、俺はおまえが大事だ」
「オレのことが好きだって、愛してるっていって」
 シンが顔を覆っていた手を剥がす。レイの肩を抱く腕に力がこもって、二人の体が密着した。
「シンが好きだ。シンを愛している」
 シンがレイの肩に腕をからませ、首筋に顔を埋めた時、そうレイが囁いた。甘く、いい匂いがシンの鼻腔をくすぐり、それよりずっと甘い声が耳に愛を告げたのだ。
 風が止んだ。雲間が切れて月の光が差し込み、抱き合う二人を闇に浮かび上がらせる。
 気のせいだろうか。レイの体が微かに震えている。
 レイも怖かったのだろうか、同じように寂しかったのだろうか。
「レイ…?」
「もういいいから、黙って…」
「どうしたの…?」
「俺の傍にいろ。一人でどこかへ飛んでいこうとするな」
 か細い声だった。
「オレ、ずっとレイの隣りにいるよ…?」
「どこか飛んで行こうとするそのときは、せめて俺に告げてからに。そうしたら、俺は後を追って行ける……」
「うん……? よくわかんないけど、わかったよ……」
「俺はおまえがいなければ、飛べない」
 切ないレイの願いは、シンには届いていなかった。
 レイをこんなに必要としている自分が、レイを置いてたったひとり、どこかへ行こうとするとは夢にも思っていないからだ。
「レイ…震えてるの」
「ああ…」
「……ごめんね」
「ああ……」
 シンの赤い瞳が、レイの青い瞳を覗き込んで合図をした。二人の顔が迫って、唇をかさねる。月光が形どった二つの影も重なって、一つになる。
 短い口づけが終わると、影もまた二つに分裂した。
「今度こそ見放されたかと思った…嫌われたんじゃいかって」
「こんなことぐらいで……それでは、俺たちは出会ってからこれまでの間に何度破滅しているかわからない」
「そうかな?」
 うそぶくシンにレイは苦笑した。
「おまえは俺に笑顔を返してさえいればいい。それだけでいい。俺はおまえの笑っている顔が見たい」
 深夜の甲板は冷える。制服を身に纏っているシンはともかく、寝巻き姿の上に裸足のレイは悲惨だった。仲直りも済んだことだし、二人は甲板を後にし、部屋へ戻ることにした。
 レイの腕に抱かれた犬は、シンが撫でようとすると牙を剥き、威嚇する。どうやら徹底的に敵と見なされたらしい。
「かっわいくねーの。それにしても、なんでこいつにオレの名前を?」
 素朴だが重大な疑問をシンは口にした。レイは答えるか答えまいか逡巡したが、結局真実を語った。
「毛が黒くて、大きな目が赤くて、おまえに似ているだろう。出会った時は、本当におまえが戻ってきたのだと思って」
「犬になって?」
 レイは、うなずいた。
「おまえがいなくなって…寂しかったんだ。俺は…たぶん」

 部屋に帰り着くと、レイはまず犬を寝床に寝かしに行った。時間が時間だ、犬もおねむなのである。
 仲直りはとりあえず出来たが、まだもう一つの重要な問題が解決されていない。
シンの溜まりに溜まった性欲処理である。
 シンは向かい合ったレイを熱っぽい目で見つめた。
「あの…甘えてもいい…?」
「好きに」
 全てを見透かしているかのように、レイはシンを強く抱き締めた。骨が軋むほど、強く。
「ここにいるんだな、シン」
「うん、オレはここにいるよ。こんなカッコで寒かっただろ、オレが暖めてあげるから」
 もう、何日ぶりかわからない、深い口づけを交わす。歯のエナメル質を舌先でこすり、レイの柔らかな舌の具合を確認する。レイが分け与えた唾液を残らず飲み干して、お返しにレイの口へ唾液を送り込む。息継ぎに口を離し、顔の角度を変える瞬間を狙って、レイの溺れた表情を盗み見る。
 濡れた、キレイな顔だ。
 喉に届きそうなほど、深く舌を差し入れて、レイを貪り尽くす。レイの弱い部分である舌の付け根をいたずらすると、すかさずレイが仕返しに強く強くシンの舌を吸い上げた。
 シンの陶酔と興奮は頂点に達していた。体の中心に熱が集まり、欲望が形になって、固さを増しているのが触れずともわかった。このままでは、きっと…たぶん…わかってはいたが、シンは欲望に身を任せた。
「んっ、んんっ……あッ……!」
 シンに訪れた絶頂と解放感。立ちこめる、栗の花に似たあの匂い。
 まさか、という目でレイがシンの股座を見やった。
「き…キスだけでいっちゃった……」
 レイに指摘されるより、まだ羞恥心も抑えられるかと思って、シンは白状したのだった。レイがそこを眺めたまま、あっけに取られている。ノーリアクションはこの際、恥ずかしいだけだった。早くそしるでもいい、言ってほしい。
「あの、オレ、離れてからずっとしてなくて…」
「……自分で処理してなかったのか」
「う…うん……」
「こういうことは、生理現象の一環として受け入れて、自身で処理できるようになるべきだ。でないと健康な肉体も精神も維持できない」
「だ、だって!!」
「俺がいないと駄目なのか…」
「そうしたのレイじゃん! それに、それにオレは、こうなったら意地でも自分でやるもんかって、レイに口でしてもらおうって決めてたんだっ」
「………」
 レイが何かを言いたげに、だが、言えずに、シンを凝視するばかりだった。
「だから、お願いだよ…レイ、口で…して……」
 上着は脱がされ、インナー一枚きり。下はパンツと下着を脱がされた半裸の状態で、シンはベッドの縁に腰掛けている。大きく開いた股の間には、床に座ったレイの体が割り込んでいた。
 シンの望み通り、レイは唇と舌によってシンの中心に丹念な愛撫を加えている。
 一度極めても、シンの茎はレイから与えられる快楽を養分にどんどん育って行く。もう、すぐにでも芽吹いて花を咲かせそうだ。しかし、三度目ともなれば、レイもそう簡単にはイかせてはくれなくなる。責めて、引いて、はぐらかす。
「あぁ…、レイ…うう、ん。そ、そこ……」
 シンはレイの頭部を両膝で挟み込んで、苦しげに、楽しそうに、酔いながら喘いだ。イイところを刺激してもらうには、待っているばかりでは駄目だった。レイの髪を撫で、耳を愛撫する。そうやって、どこに舌先が欲しいかレイに知らせるのだ。
 耳の裏をくすぐれば、レイの舌は茎の裏側を舐め上げた。耳穴に指を差し込めば、舌は筒先の一つ目を抉った。そういう動作の連動を教えたのはレイだった。だから、そうやってシンも欲しい快楽を得る。
 二人が素肌を重ね、絡み合う頃には東の空が白みはじめていた。眠ることも惜しんで抱き合い、どちらの熱か、どちらの出した体液かわからなくなるまで、お互いを慈しみあった。


「あんたたち、バカでしょ? そうでしょ? 間違いないわよね」
 翌日。
ぐったりと壁に頭を預けるシンと、よろめきながら壁に片手をついて眩暈をこらえるレイを前に、ルナマリアが吐き捨てた。
「仲直りしたのはいいけどね、レイまで揃って羽目を外すなんてあってはならないことよ!」
「一人じゃできないことだぞ、アレは」
 余計なことを言ったシンの後頭部をルナマリアは、はたいた。
「だって、一睡もしてねーんだもん、しょうがないって」
「なによ。スッキリした顔しちゃって。あんたはどうだっていいのよ。レイ、横になったほうがいいんじゃない? 顔色が真っ青よ」
「…やりすぎた……」
「あんたまでいうのそれを」
 さすがにレイの頭ははたけないルナマリア嬢であるが、ジト目でレイへの軽蔑の念を表していた。
「これから作戦会議なんだ。俺が抜けるわけにはいかない」
「そりゃそーだけどぉ」
 今後の戦略についての作戦会議が赤服を集めて行われるのだ。その会議室への道すがらだった。
「犬のことはどうなったの? やっぱり次の港までかしら、同行できるのは」
「ああ、次の港で引き渡すということで上と話はまとまった」
「それまであの犬っころの面倒、レイが見るっていうんだぜ! 元の持ち主に引き渡せばいいのに! オレまであの犬としばらく同居しなきゃなんないんだ」
「いやなら、また部屋出すればぁ」
 と、ルナマリアにズバリと言われ、シンは口ごもった。
 もう、レイと離れ離れになるのはたくさんだった。
「しねーよっ!」
 犬は次の港で下ろし、プラントへ送ってデュランダル議長に面倒を頼むとレイは言っていた。
「ぎゃー、こいつ、また噛んだ!!」
 部屋に本日何度目かのシンの絶叫がこだました。
「きゃんきゃん!」
「こら、シン…そいつは敵ではないのだから、無闇矢鱈と噛みついてはいけない」
「その名前、紛らわしいからやめろよ! シンはオレだってぇの!」
「しかし、一度命名したものを変えるのは縁起が悪いだろう。なぁ、シン」
「わんっ!」
「ほらみろ。本人もその気だ」
 撫でようとしても、敵意と勘違いされて噛まれそうにばかりなる日々だが、レイの可愛がるものくらい、自分も好きになってやりたい。それも、もう少しの我慢なわけだし。
「あーーもーーー! どうにでもしろよ!」
 もう少しの、我慢。



 THE END.

 Should Deny The Divine Destiny of The Destinies.
 
 『運命の女神が与えたもうた宿命を拒絶すべし』

060202

シンが一番であると明言しないあたりがレイくんのミソかもしんない…
あ、そうそうこの話全体のタイトルは「僕はレイの×××になりたい!」です。一等一番、犬、どちらでも当てはまるようにこれ。笑うがいいさ!
こんな調子の話をのらりくらりと更新したら誰か読んでくれるのかなー
読みます? どんどこアニメから離れてく感じの小説…

ろくに押してもらえないのにお礼画像増やしてる私って空しい…

webclap→http://webclap.simplecgi.com/clap.php?id=synchro
posted by 百武 晶 at 19:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ミネルバ逃げ水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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